「っ、つば」
“翼くん”と名前を呼ぼうとした瞬間だった。
──ガラッ
勢い良く美術室のドアが開く。
「おーっす、つばさぁ。サボリかてめー」
「悟史くん……」
「エースがサボるとは、前代未聞じゃねーの」
「……ッ」
悟史くんは翼くんの胸ぐらを掴む。
そして、壁に翼くんの体をぶつける。
「さ、悟史くんっ!」
「お前、このテーピング誰にやってもらったんだよ。委員長か? 自分?
ちっげぇだろっ!!
お前のことずっと側で支えてきたあいつが、
若葉がやったんだろ!!!!」
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