「翼くんっ!?」
「わりっ、委員長ちょっと退いて」
悟史くんと優斗くんが、翼くんの腕を肩にかけて、ゆっくりと持ち上げながら歩く。
「そこに寝かせて」
若葉ちゃんはビニール袋に氷をたくさんいれて、空気を吸い取ってから袋の先を縛る。
その袋を翼くんの素足に当てて、ラップで巻いていった。
「とりあえずこれで……。翼、一応病院行ってね? 腫れ、酷いし」
「い、くかよ……。予選、あんだぞ……っ」
「こんな足で予選に出られるわけないじゃん……ッ!!」
予選に……出られない??
翼くんが??
見ると、翼くんは片腕を目に当てている。
そして、頬には涙が流れていた。