翼くんはそう言って「じゃあ、またな」と言って、改札口を抜けて行った。 あたしは、カァァァッと顔が熱くなって、両手で口を覆う。 翼くんの唇が……耳に、触れそうだった。 息が耳にかかって、ドキドキして。 ……好き。 照れてる姿が、 大きな背中が、 あの、優しい笑顔が。 今日、また、 あたしは彼に恋をした。