たぶん、もう今日はここに来ないし……。

あたしはタオルをもって、ゆっくりと体育館へと向かった。

確か……体育館のステージ側が男バスだよね。


ステージ側のドアをほんの少しだけ開けて覗くと、すごい、たくさんの声が耳に入ってきた。


「おいっ!! そこ抜かれるなっ!!」

「レイアップ落とすなよーっ!!」

「声出せ、声っ!!」


す、すごっ……。

バスケの練習って、こんなに激しいんだ……。


みんな汗だくで、肩で息をしてる。

でも、誰一人コートの外で休んでない。

声を出していない人もいない。


思わず夢中になって見ていると、後ろから声をかけられた。


「男バスに、何か用?」