【完】大好きでした。






「舞に優しくしてるわけじゃないよ。これがね、当たり前なの。“特別優しくしてもらってる”なんて、もう思わないで」


そう言う若葉ちゃんに、あたしはコクンと頷く。

「それで、はいっ!」

若葉ちゃんはあたしに可愛くラッピングされている、袋を差し出す。

あたしはそれをゆっくりと受け取った。


「これ、は……?」

「あたし達からの誕生日プレゼントっ! あけてみて?」

「うん」

あたしはゆっくり、丁寧に袋を開ける。

中には、スケッチブックが入っていた。


「これ……」

「んー、まぁ、あたしらにはどれがいいのか全然わかんなかったんだけどっ」

あたしはスケッチブックのページを一枚めくる。

そこの表紙には、“HAPPY BIRTHDAY舞”と真ん中に描かれていて、その周りにはみんなからのメッセージが書かれている。