【完】大好きでした。






「ちょっ、ま、舞っ? ご、ごめっ、迷惑だった?」

若葉ちゃんがオロオロしながら、聞く。

「ちがっ、ちがうの……っ。うれ、しくてっ」

こんな風に、友達に祝ってもらったのは、初めてで。

家族でも、パーティーなんてもうしない。

だから、すごい久しぶりで、嬉しすぎるんだ。


「ありがとう……っ。ありがとうっ。あたしなんかのために、ありがとうっ」

「舞、“なんか”じゃない」

若葉ちゃんは、優しく笑って言った。


「舞“だから”、みんなでお祝いしてるの。みんな舞が好きだから、ここにいるんだよっ!」



そんな若葉ちゃんの言葉に、また、涙が溢れ出す。

そして、優斗くんに言われた言葉を思い出した。



『矢野さんは、もう少し自分を上げて生きた方が良いと思うよ』