「ここだよ♪」
若葉ちゃんの指す家は、いわゆる豪邸というやつ。
三階建ての一軒家で、大きな庭がある。
たしかに……10人、入っちゃうかも。
中に入れば、リビングは見た目よりずっと広かった。
「そこらへんに座って〜。ぁ、そうだ。舞ごめん、ちょーっと買い物、頼んで良い?」
買い、もの……?
「さっき来る途中にコンビニあったでしょ? そこでジュースを数本、買って来て?」
「ぁ、うん、いいよ」
「荷物持ちに翼も行かせるからっ!」
えっ?!
「そんじゃ、いってら〜」
若葉ちゃんがそう言うと、翼くんは「行くか」とあたしの前を歩く。
2人きりって……美術室では普通だった。
だけど、「好き」と自覚してから、すごく恥ずかしくて、緊張して、
ドキドキする。