体育館の入り口に並べば、すでにたくさんの人がいる。
「舞、離れんなよ」
「ぁ、うん……」
翼くんがあたしの手を取って、離れないように引っ張る。
……手、温かい。
背中に、ドキドキする。
パンフレットや、チラシやらを受け取って、やっとコートが見えて来た。
ひ、ひろ……っ。
体育館の中はすごく広くて、コートバスケットコート三つ分だった。
そして、周りには観客席が何百もある。
「城智ってコートどこだっけー」
「Bコート。真ん中だし、ちょうどいいべ」
「そだね〜」
若葉ちゃんと悟史くんくんがそんなことを話していて、あたしは翼くんに引っ張られながら歩く。
……もう、人混みは抜けたし、大丈夫なんだけど……いい、のかな?
このまま、繋いでて。
……ううん、このまま、繋いでいたい。
ほら、また、欲張りになっちゃう。

