12月になって、周りはクリスマスで一色。
そんな中、あたしは千駄ヶ谷駅にいる。
ちょっと早く着きすぎちゃったかな……。
待ち合わせは9時で、あたしは10分前からここにいる。
みんなジャージでくるって言ってたから、あたしは制服で着たけど……いい、よね。
「まーいーっ!!」
改札口の方から若葉ちゃんが大きく手を振っていた。
「おっまたせ〜。って、舞制服で着たのっ?! えらすぎっ!」
「私服じゃダメだと、思って……」
あの日の美術室で若葉ちゃんと話してからも、若葉ちゃんはあたしに対していつも通りに接してくれている。
だから、あたしもいつも通りに接する。
でも、本当は、すごく不安。
嫌われないかなとか、2人がつき合わないかな……とか。
自分がこんなにも卑怯な人間だなんて知らなかった。
若葉ちゃんと翼くんがつき合って欲しくないって思ってる。
……でも、もしかしたら、
若葉ちゃんも、そう思ってるのかな……?