着替え終わると、ボッと湯気が出るんじゃないかって思うくらい恥ずかしくてたまらなかった。

黒のTシャツにバスケットボールが印刷されていて、下は白に黒と銀のラインが入っている短パン。

155cm……あたしと4cmだけの差。

それだけの差で……こんなに、服の大きさが違く感じるんだ。

……翼くんの、匂い。

恥ずかしくて、ドキドキする。

でも、ほんの少し嬉しい。



外に出ようとしたとき、1つのことに気づいた。

ぁ、靴……どうすればいいんだろう。

更衣室のドアを開けると、翼くんが立っていた。


「わっ」

思わず、変な声がでてしまった。

翼くんは一瞬目を丸くして、そして小さく吹き出した。

「これ、渡し忘れてた」

翼くんは、靴下とバッシュをあたしに差し出す。

「おっちゃんから、借りた。どっちも金里が使ってたやつで、靴下はちゃんと洗ってあるし」

「つ、使っていいの……っ?」

「へーき。準備、できた?」

「ぁ、うん……」

「んじゃ、行こうぜ」

翼くんは、あたしの手を握って、体育館の方へと歩く。

手……大っきい。

服の大きさも、背中も……身長が4cmだけ違っても、



男の子と女の子は、全然違うんだ。