「舞、今日空いてる? って、テスト勉強するか」
「う、ううんっ。大丈夫だよっ!」
「……んじゃさ、ちょっと手伝ってくんね?」
翼くんはそう言って、あたしの乗る電車に乗る。
あたしの最寄り駅の1つ前の駅で降りて、15分ぐらい翼くんと一緒に歩く。
そして、着いた場所は市民体育館。
「こっち」
「ぁ、うん」
楽しそうに歩く翼くんについて行くと、体育館の中に入る。
「お、またきたか坊主」
「おっちゃん、2人ね」
「んん?? ほぉ、女の子か。合わせて500円でいいぞ」
「まじ? やった」
翼くんはお財布から500円玉を出した。
……え。
これって、あたしの分も入ってるよね??

