あたしは、若葉ちゃんの言葉を思い出す。
『同情して一緒にいたと思ってんの……ッ?!』
“同情”
右手首を怪我したとき、コンクールの審査員、そういう関係者達からは、ずっとそういう目を向けられていた。
そんな目が、あたしは大っ嫌いで。
『今まで、翼の何を見てたわけ……ッ?』
でも……違う。
バスケ部のみんなは、そんな目を向けてきたことは、一度もなかった。
それが、すごい心地よくて、嬉しかったんだ。
あたし、いつの間にか、こんなにも欲深い人間になってた。
“みんなともっと仲良くなりたい”
“みんなとずっと一緒にいたい”
いつの間にか、こんなにも幸せだった。
みんなと一緒に笑い合うのが、こんなにも。
そんな温かさを、幸せをくれた翼くん……
あたしの背中を押してくれる、太陽みたいな笑顔を向けてくれる彼が、
こんなにも、好きになってた。