「……なぁ、舞」

「な、なに……?」

「……俺、NBAプレーヤーになれると思う?」

翼くんは真剣な顔で、そして、少し悲しそうに聞いた。

「お、思うよっ」

「……俺は、思えなくなった」

「え……?」

「見たんだろ、試合。あんなプレーする奴が、NBAプレーヤーなんて、恥ずかしくて言えるわけねーよ」

そう言う翼くんの姿を見て、あたしは思わず翼くんの手をギュッと握った。

「舞……?」


翼くん、そんな顔をしないで。

……昔のあたしにそっくりな、表情。

夢を、諦めてしまった顔。