「……まじ?」
保健室に着くと、保健室の先生は外の方に行っていた。
たぶん、あたしの前の競技で怪我した子がいたから、その子の方に行ってるんだと思う。
「舞、足見せて」
「ぁ、はい……」
あたしが靴下を脱いでるときに、翼くんは「ぷっ、敬語久々だなっ」なんて笑っていた。
「……晴れてるから、捻挫、かな? ちょっと待ってて」
そう言って翼くんは「湿布湿布」と救急箱をあさっている。
「ぉ、発見〜」
翼くんは湿布を半分に切って、あたしの足首に手際よく貼る。
「つめたっ」
「俺も湿布は苦手っ」
「……っ」
よく考えれば……翼くんと話すの、すごい久しぶり。
緊張……するなぁ。
この緊張、夏休み明け、美術室で話した時と似てる。