「可愛いー」

水族館についた私たちは早速見て回った。

ちなみに今私が見てるのは…サメ。


「蝶って趣味変わってるな…」

空はちょっと引き気味で私に言った。

「そう?普通だよー?」


「いや、だって普通だったらほら…
 あそこにいるやつとかさ」

そう言って空が指差したのはイルカが
泳いでいる水槽。

「イルカ?まぁ確かにイルカも可愛い
 けど…」

「けど?」

「…ッやっぱサメなの!」

「なんだよそれ」

そう言って空は笑った。

私がサメにこだわるのは、昔お父さんと
お母さんでサメがたくさんいる水族館に
行ったから。

それ以来サメだけなんか特別に感じるんだ。


「あっ見てみろよ。
 こいつの背中のとこにハートの模様あるぞ」

「えっ?どれどれー。あっほんとだ」

「なんか、今の俺たちにぴったりだな」

「う…うん」

私は顔が真っ赤になってた。

だって空が急にあんなこと言い出すんだもん。


「あっ照れてる」

「照れてなーい!」

「前俺に言ったからお返しー」

「あの時のことまだ覚えてたのー!?もう!」

「覚えてるに決まってるだろ?
 お前と話したことは全部覚えてるよ。
 …死ぬまで…ずっと……」

「……ッ」


「ごめん、次行くか…」

「…うん…」

私たちは水族館の中を進んでいった…。