「出来た!!」


私たちは、お母さんの料理の出来なさに
びっくりしながらもなんとかオムライス
を作った。


「蝶、食べよっか」


「うん♪」


「「いただきます」」


私とお母さんは口を揃えてそう言い
オムライスを食べ始めた。


「…うん、美味しい!」

お母さんが卵を焼いたから、形は
ちょっと悪いけど味は美味しかった。


「…ねぇ蝶、今日なにか学校で
 嫌なことあった?」


「…えっ?…な、何で急にそんなこと」


「今日なんか空元気な感じがしたから」


お母さん、気づいてたんだ…


「ううん、何もないよ… 
 あっそういえばもうすぐITG46の 
 番組が始まるんだった、テレビ
 テレビ♪」

私はわざと話題を変えた。

だって、これ以上お母さんに迷惑は
かけられない…そう思ったから。


「蝶…」


私は、お母さんが悲しそうな声で私の名前を
呼んだことには気づかなかった。