「ふぅ、終わった」


私はそう言って伸びをした。
その時、



「ただいまー」


玄関から声がした。お母さんが帰って
きたんだ。



「お帰りなさーい」


私は、お母さんにいじめられていること
は言えても、さすがに今日のことは知ら
れたくなかったから、大きな声で元気に
言った。


「ただいま、蝶。ご飯作ろっか」


「うん、けど何作るの?」


「オムライス。蝶好きでしょ?」


私の好きな食べ物覚えててくれたんだ…

「…うん!!」


覚えてくれてたことに対して感動
しながらも、私は笑顔でそう言った。