カツカツカツッ



廊下には、私と空の足音だけが響く。
空にお礼言わなきゃっ

そう思った私は喋り始めようとしたけど……



「空っ……」


「蝶っ……」



空と声がカブってしまった。



「空から喋んなよ」


「蝶から喋れよ」


ま……また…



しーん


沈黙が続く。
すると、空が喋り出した。



「ごめんな、怖い思いさせて」



「えっ!?空助けてくれたじゃん」



「もっと早く助けてあげていれば、
 服、脱がされなかったじゃん」



空がそう言ったとたん、体が震えだ
した。思い出したら怖くなってきた。


ぎゅっ


急に空が手を繋いできた。


繋がれている手が熱い。いつの間にか
体の震えも止まっていた。