君と見上げた空【完】

私の涙が止まった頃、空は私に尋ねた。


「誰か、助けてくれる人は居なかった
 のか?」


私は、


「いない。先生も見て見ぬふり
 してるし……」


そう答えた。


「そうか。…今まで一人で頑張ってた
 んだな。でも、これからは、俺がい
 るから大丈夫。強がんなくていいん
 だよ」



「空……」



私は空を信じていいかな?



「俺が蝶を真っ暗な闇から抜け出さ
 せてやる」


空なら信じられる気がするんだ。


「空、ありがとう……」