君と見上げた空【完】

リビングには、空の小さい頃の写真が
たくさんあった。


「あっ俺の写真あんま見ないで。
 恥ずかしいから」


私の後に続いて入って来た空がそう言った。



「はいタオル」



空がそう言って私にタオルをくれた。
それで私は髪や顔を拭いた。服はまだ
濡れてるけどいいや。



「髪拭いた?」


私はその言葉に頷くと、


「じゃあ、本題いくよ。……蝶は何
 を心に抱え込んでるの?」



「えっ?何で……」



「だって、顔に出てるから。初めて
 会ったときも辛そうな顔してた」


私、辛かったんだ。いじめられる
ことも、親に冷たくされることも。