「いる?」

ほら、また傷つける一言。
彼女は使って欲しくてあげたんでしょう?

「誰が幼馴染の使いかけもらいますかっ」

余計、結城のこと忘れられないじゃん。

天然の女たらし。
人はそういうけど、違うと思う。

ただ、逃げられないんだ。
結城の茶色い目に、髪に、唇に。

一度迷ったら逃げ出せない。
抜け出るには、傷つくしかないんだ。

傷つきたくない。
だから私は8年も思い続けてきたんだ。