恋人未満の君へ、


だが私は思い知ることになる。
それが何を指していたか。

結城はおもむろに私の髪の毛を梳き、
顔にあてがった。

「いい匂い、俺この髪好きだな。」


…時が、止まった気がした。

私の金髪にキスしているようで、
初めてこの髪を褒められた気がした。

「好きだな。」
擦れた声は声変わり中で魅力的。
何度も頭の中で反響する言葉は
私の胸を穿つ。