保健室の内緒

私は彼の机の上にプリントをおく。



そして黙ったまま席に付いた。



……………。



……見てる?



横目で隣を見ると彼が体ごとこっちに向いていた。



「な…何ですか…?」



「だってまだ名前聞いてないから」



また名前?



「だから…向坂です」



「違う、下」



下…。



「下の名前。
教えてよ」



そういうことか…。



「………ひよりです」



名前を言いながらちらっと彼を見ると、彼は満足そうに笑っていた。