保健室の内緒

でも…、この人だれ?



聞いたほうがいいのかな…?



……いきなりじゃ失礼かな?



下を向く私の手を彼が掴んだ。



「どうせ入るんだろ?
来いよ」



ぐいっと引っ張られ、体重は前屈みになる。



そして倒れかかったバランスを戻したときには教室に入っていた。



ふたりで手をつないで入ったからか、みんなの視線がこっちに集まってる…。



恥ずかしい…。



繋がっていた手が離されると彼から少し距離をおく。



早く座っちゃおう。



周りをきょろきょろして席を探すが、私が遅かったせいかほとんどの席が埋まってる。



どこに座ろう…。



「なぁ、ここ座れよ」



声をかけてくるのはやっぱり栗色の彼。



………変な人。