愛するということ

自分の鼓動に、呼吸がついていけない。
深呼吸を繰り返し、やっと落ち着き始めた時



瞬の右手がピクリと動いた――
何かの見間違えじゃないかと、もう一度動くのをじっと見つめた。



再び右手が動いた
今度は、何かを探しているように宙を彷徨わせている
俺は、思わずその手を握りしめた。


そして――




瞬の瞼がゆっくりと開き始めた






「瞬!」

突然のことに声がうまく出せず、かすれてしまったが、大きな声で呼びかける。



「は・や・・・と?」



ゆっくり開いた瞬の目は、長い間閉じられていたからだろう、眩しそうに目を細めながら、空調の音でかき消されてしまいそうな程小さくかすれた声で、俺の名を呼んだ。


「瞬、そうだ俺だ、分かるか?」



瞬は、大きく2度『うんうん』と頷いて見せた。