愛するということ

椅子に座って間もなく、手術着を着た医者が入ってきた。


「高柳さんですね。手術を担当しました井出と申します。さっそくですが、妹さんの状況をご報告します」


隣に座る拓馬が、ゴクンと唾をのんだ


俺は再びキーンと耳鳴りがし始めていた。









「妹さんは、一命を取り留めました――」





その後の説明は、まったく耳に入ってこなかった。

隣の拓馬は、「はい、はい、ありがとうございます」と繰り返し言っていた。