愛するということ

俺は、母さんの『星』に触れてみた。


母さんの手は、まだ温かく、死んではいないんじゃないかと、疑いたくなる。




なぜか、そこに母さんだと証明されるものを見せられても、まだ悲しいという感情が湧いてこない


「母さん、まだ帰れないんだ。いろいろ手続きがあるから」

そう言って、また布を被せた。



「拓馬・・・俺、まだ・・・」

「ああ、この姿じゃ実感できないかもしれないな。でも、お前たちは見ない方がいい。痛々しすぎる母さんの姿なんて・・・」



そう言って、拓馬はまた背を向けて出て行った。
少し間をあけて、後を追う。


さっき入ってきた『中央手術室』の扉の前まで戻ると、1人の看護師が出てきた。



「高柳さん?高柳さんのご家族ですか?」

「はい」

「妹さんの手術、終わりました。医師から説明があります。こちらへどうぞ」





看護師に連れられて、隣の部屋へ入った。