愛するということ

拓馬の声は、最後は聞き取れないほど小さく、それから、後ろを向いたきり、こっちをみない。


肩が小さく揺れている。



俺は、全身を包帯で巻かれているこの人が、母さんだと、実感できずにいた。

この中にいる人は、全然知らない人で、母さんと間違われているのではないか。




「拓馬・・・これ、母さんなのか・・・?」

「ああ。包帯巻く前に会わせてもらったんだ。それに、ほら――」


そういって、拓馬はただ一つ包帯の巻かれていない左手をとった。




「・・・!」

その左手には、母さんだと証明する星の形をした痣があった。



星といっても、きれいに星の形をしているわけじゃない。

むかし、瞬がまだ小さかった頃、「ママの手にはお星さまがいる」と言い、それから母さんの手の痣は『星』だと言うようになった。



久しぶりに見た母さんの星・・・




最近は、すれ違うことが多かったし、たまに会っても、手なんてマジマジ見ることなんてなかった。