愛するということ

「高柳さん。妹さん落ち着きましたよ。」

処置室から出てきた医者が、中へ入るようにと言う。



「少し眠ってはいますが、点滴が終わったら、家に帰っても平気ですよ。」


発作は治まったとはいえ、まだ顔は青白い。

このまま、目がさめるまでここに付いていてやりたかったが、俺は母さんと、瞬のことの方が気になっていた。




「あの、母と妹が事故でここへ運ばれたって言われて来たんです。まだ、会っていないので、そっちへ行ってもいいでしょうか」


そばにいた看護師は、『もしかして、さっき・・・』と驚いた顔をして言ったが、すぐに「大丈夫ですよ。妹さん起きたら説明しておきますから」と言ってくれた。



処置室を出て、拓馬のいるカンファレンス室へ行こうとした時、「隼人」と呼ぶ拓馬がいた。


「友里、発作だって?」

「ああ、でも落ち着いて点滴してる」




拓馬は、フゥーっとため息をついてから、処置室へ目を向けた。