愛するということ

私は、来たかった雑貨屋に初めて入って、モヤモヤしていた気持ちが晴れそうだったところを、東野さんの出現によってあっさりと邪魔された上に、まだ足りないという東野さんに、イライラし始めていた。




「東野、いいかげんにしろよ。お前、暴走しすぎ」


さっき、店の中でビシッと言われてから東野さんのペースに合わせていた隼人が、急に東野さんに言ったので、東野さんはやっと「分かったわ。ごめんね」と、私を解放してくれた。



店の前で、遠ざかる2人の背中を見送りながら、さっきこの店に入った時よりも数倍大きくなった疲労感と、隼人の隣を歩く東野さんへ嫌悪感でずっしり重たくなってしまった足を引きずるように、駅へ向けた。




電車の中は、外から入ってくる人のために、肌寒くなるほど冷房がきいていた。



スーっと汗がひいて体が冷えていくのとは反対に、頭の中には東野さんへの不満が膨張していた




――隼人に東野さんは似合わない





東野さんが、拓馬がこの前言っていた隼人の『彼女』なんだろうか?

いや、隼人のタイプじゃないはず・・・




隼人にはもっと人の気持ちが分かって、気配りができて、控えめで、隼人に無理なこと言わなくって――


「・・・」