愛するということ

「俺、そんなに頼りねぇか。お前にそんな気を使わせるほど、他人じゃねえよ?」


瞬は、突然の言葉に驚いている。


・・・こんなこと今、言うことじゃないって分かってるけど、一度出てしまった気持ちは止まりそうにない。



「お前が悪いって、責めたって、殴ったっていいのに。なのに、お前――」


「隼人は、悪くない・・・」


いつの間にか、後ろから瞬に抱きしめられていた。

「・・・!」

「私、平気だから。別に何かされたわけじゃないし・・・ちょっと怖かったけど、でも平気。」



背中に、瞬の呼吸がゆっくりと伝わってくる。



さっき、感じていた熱がいっきに冷えていく。
それと同時に今自分が言った言葉が頭の中に蘇る。




――自分の情けなさに大泣きしそうだ。



「悪かった。ちゃんと冷やせよ」



俺は、一度も振り返ることなく部屋を出た。





――背中に、瞬の体温が残っている。

なぜだろう、心臓がうるさい