「・・めんなさい・・・」


ポロポロと泣き出した彼女が必死で口にしたその言葉は、あまりに小さくて、すぐに消え去ってしまった。


「・・・まだ、僕のこと、なにも知らないだろ？

友達から始めて、それからでも・・・。」



肩を掴む手に力がはいり、彼女を何度もゆらしている。



彼が必死なのは・・・分かる



でも、相手の子の顔をみれば、このまま続けることがけしてプラスになることはないってことのほうがもっと分かる現実。




私は、フゥーっとひとつ息を吐いて２人の方へ歩き始めた。