「友里ちゃん、僕と付き合ってください・・・」

「あの・・・えっと・・・」



夕日を背に、長身の彼は、緊張のためか額にうっすらと汗が滲んでいる。
テニス部なのだろうか。肩からラケットバックをかけている。



「僕のこと、知ってから判断してもらってかまわないから・・・」



腰をかがめて、懇願するように顔をのぞき込む彼の顔は、耳まで真っ赤になって
彼女の肩をつかんでいた。



驚いた彼女は、一瞬視線を彼にむけたが、またすぐに下を向き


「あの・・・えっと・・・わたし・・・」


彼女のほうは、みるみる青ざめていき、今にも倒れそうだ。