「大丈夫、もう変なことしないから。ちゃんとお兄ちゃんするから・・・だから、もう少しこのまま」



瞬の肩に俺の頭を預けた。
フワッと石鹸の匂いがして、眩暈がしそうだ。




しばらくそのままの時間が過ぎた。
沈黙を破ったのは、瞬だった。



「隼人・・・あのね、私・・・」
「うん?」



瞬がスゥ―っと大きく息を吸い込む



「私も、たぶん隼人が好きなの。うん・・・ずっと前から。」

「・・・えっ!?」




ギュッと抱きしめていた腕を離し、瞬の顔を見る。
瞬は、「やだ」と言いながら顔を逸らした。


「………っ!」




もう、どうにもならなかった――。



俺は、再び瞬の唇を塞いだ。

さっきまでとは違う。

俺の一方通行なキスではないから。
もう、兄妹だなんて考えられなかった。