私と君の夏限定



  志貴 side

いつもより早く授業が終わって、屋上にいつもより早く着いて、田中さんとか陽太とかが驚いて…そこまでは良かったんや

(なんやねん、あの女…)

いきなり俺らの前に現れた変な女

何でか知らんけど俺らのこと知っとるし…気味悪いわ

無言でパンを食べてると蓮斗が立ち上がった

「何処行くんや、蓮斗」

「生徒会室。見たい書類があるんだよ」

「あ、蓮斗!私も行くよ」

「朱音はここに居ろ」

蓮斗はそれだけ言うと屋上を出ていった

「何なんでしょうね、さっきの人…」

「田中さん、今その人の話するのやめてくれへん?」

「…すみません」

…あかん、イライラするわ

パンを食べる気にもなれずに立ち上がる

「志貴、どこいくの?」

「なんや食べる気せえへんから教室戻るわ」

それだけ言い残し、俺も屋上をあとにする

人に会う気にもなれず、旧校舎の方へいく

すると第2音楽室からピアノの音がした

音楽の授業は基本、新校舎の第1音楽室で行われるからここに人が居るのは可笑しいと、思って音楽室を覗いた

そこに居た人物を見て俺は扉を思いっきり開けた