私と君の夏限定




「そう言うのじゃねぇよ…。ただ暴力は良くないだろ」

「なんや、そんなん綺麗事やん」

とか言いつつ振り上げた手をおろす志貴先生

「おー、よーくん。助かったよ。よーくんのお陰で殴られずに済んだよ」

まぁ殴られても良かったんだけどさ、別に

「ま、志貴先生。私のことはいくらでも嫌ってくださいな。嫌われた方が楽だから」

どうせ未来の志貴先生は私のこと嫌ってるしね

「さってと、用は済んだし私は帰るよ。じゃあね、みんな」

私は背を向けて歩き出す

「あ、いい忘れてた。蓮斗、夜ご飯食べるよね?作って待ってるから」

クルリと皆の方を向き言う

「それと…斎藤さん。明日、気を付けてね?階段で滑って怪我するから」

本当は忠告したくないけど…
きっとそれは変わらない未来だし

「え…待って!どういうこと?」

「どうって…明日になれば分かることですよ」

私はにこりと笑い屋上を後にした