座り込んだ私の腕をぐっと掴む男。 『……助けて』 ひどく苦しそうに助けを求めている。 携帯を取り出し救急車を呼ぼうと番号を押そうとした私を見て男は急に立ち上がり刃物を突き出した。 意味がわからずに呆然とする私。 『刺されたくなかったら言うことをきけ』 男から目を逸らした一瞬の出来事だった。 モニターの中の男の顔には黒いモヤがかかっていて表情すらわからない。 ただ怯えきった自分の表情だけが画面にはっきりと映っていた。