「未央ちゃんっ、今日は違う道で行こうかっ!!」


それはもうとびきりの笑顔で。


「なんでまたいきなり。」

「だって今日の占いでいつもと違うことをすると運気がUP!って言ってたんだもの。」


「げっ、また占い?当たんないからそれ。諦めな。うん、それがいい。ってなわけでいつものルートで学校に行くぞ!」


そう言い切ってスタスタと
先を歩く。

夏樹は占いやまじないが
大好きだ。
これになんど振り回されたことか…

だから今回もいいことは
ない気がする。


「未央!行くよ!!」

いつのまにか追い付いていた
夏樹にそのまま腕を引かれ
脇道に連れていかれた。

「ちょ、ばか。止まれって。おい聞いてんのか。このままだと確実遅刻に…ってうわっ!!」


いきなり止まった夏樹の背中に見事にぶつかり鼻を強打した。
さらに不細工になったらどうすんだ…。


鼻をさすりながら
ふと周りをみる。

どこだここ…


夏樹のスピードについていくのに精一杯で周りが見えていなかったからか見知らぬ大通りに出てきていた。


「よっし、未央!こっからどっちが先に学校につけるか競争ね!じゃあ、おっ先ー!」


「はっ!?っておい!なにほんとに先に行ってんだよ!おいってば!!…ちっ。」


走り出した夏樹に呼び掛けたがものすごい笑顔で手をふって
「ばいばーい、またあとでねー!」って叫びながら消えていった…。




あのやろう…
いつか殺す…。←