犬系男子の飼育方法



「...ふっ。...ダメだ。あっははははっ!面白すぎだろ。涙目とか。ふふっ...。純粋だな、ほんと。あー、笑った。」

ひとしきり笑って二人の方を見ると、ぽかーんとした顔をしていた。

「なんか、転校初日だから猫かぶってたけど、お前ら見てたら猫かぶんのとか馬鹿らしくなった。からよろしくな、尚!瑠依!」

転校続きな俺が得たものは万人受けする性格をつくることだった。
素の自分なんてみせないし、その方がやりやすかったからだ。
でもふたりを見てるとあほらしくなって。
会って間もないけどこいつらになら素の自分見せてもいいような気がしたんだ。

「やっぱりね!神楽は絶対猫かぶってると思ってたよ。」

「俺も思った~!ちらちら素っぽいの出てたし!しかもSっぽい!」

尚と瑠依が言う。

素が出てたのか、気づかなかった…。

「改めてよろしくな!神楽!」

前言撤回。
そう言って笑う瑠依はとっても純粋な笑顔だった。