「・・・昔の夢を、見たんだ」


「昔・・・」


「うん。とても大好きな、とても大切な人の、夢・・・」


「・・・」


「その人はね、俺のものすごく近くに居るんだ。なのに、どれだけ手を伸ばしても届かない。俺に、気づいては、くれない・・・」


「・・・はぁ」


 また、心配している素振りで全然心配などしていない顔で言った。


「・・・私も、昔とても大好きな人がいました」


「・・・え?」


「すごく大好きだったのに・・・なのに、いえ・・・だからこそ、離れ離れになってしまったのでしょうね。だから・・・私にも、先輩の気持ちくらいなら、わかりますよ」


「・・・」


「そうゆうの、きっと、・・・いえ、すんごく辛いと思います」


「・・・うん」


「だから」


「・・・」