変な人。
と、心は思いつつも胸の高鳴りが止まらない。
それどころか増してる気がする。
それから私はずっとあの男のことを考えていた。
あの人いまどこにいるんだろー、
帽子かぶってたから顔ちゃんと見てないや、
多分大学生ぐらいかな、
また会いたいなー、
「……なんだけどー、って、姫子きいてるっ?」
友達の話も頭にはいらないくらい、あの男のことばかり。
ちゃんと顔もみてないけど、あれは一目惚れなんだろうか。
「あー、昨日の駅前のコンビニの話でしょ?」
「それは、もう終わったよ。今は2年の九条せんぱ
いの話だよ。」
「んーと、ユウちゃんごめん、聞いてなかったや。
誰それ?」
「ほんっとにもー、2年の九条 蒼空せんぱいってゆう、すごくカッコイイっ人がいるのー」
「へー、そうなんだー」
