雨がふらない空






男は真っ直ぐ前をみて、ただ真っ直ぐ前をみて、立ち止まっていた。



人々は男に目を向けるも、通りすぎて行く。




私もそのなかのひとり、、




通りすぎて振り返ると、男もう信号が赤にかわりかけているのにも関わらずまだ立ち止まっていた。




「あ、あのっ!死にますよ?!」


私は体が勝手に動いたのか、本能てきに、男のとこにかけよった。


すると、男は、
「えっ?あぁ、ほんとだー」


なんて呑気なことを言って、私の手首を掴み、小走りで信号を渡り切る。



「ごめんね、気が付かなかった。もうすぐで死にかけてたよ(笑)ありがとう。」



どうやったら、気が付かないのだろうか。



それから、
「じゃあ、またいつか会えたらいいね。」



と言って、傘もささずびしょびしょに濡れて帰っていった。