「えるー!帰るぞー」


帰りの会の後、ランドセルにお道具箱を詰めながら声を出したが

ぐるっと周りを見ても絵瑠はいなかった。



「える?」





…何だ、先帰ったのかよ。

いつも声をかける前に、笑顔で俺のとこに駆け寄るのに。



内心つまらなく思いながら帰って

いつものように、公園で翔太たちとサッカーしていた。




夕方、そろそろ帰ろうかなんて話してた時だ。



「蓮司ー!」


健兄が叫びながらやってきた。



「絵瑠がまだ帰ってこないんだっ。
お前、いつもみたいに一緒に帰んなかったのかよ?!」