「大丈夫?」 ようやく抱きしめている細い体の震えが収まり、声をかけると 「大丈夫…。」 小さな返事が返ってきた。 綺麗な、絵瑠によく似合う 優しい声で。 「良かったな。お前、しゃべってる」 「うん…」 「何だよ。嬉しくねぇの?」 「違うけど…」 はぁ? じゃあ何で、あんまり嬉しくなさそうなんだよ。