蓮司は戸惑ってる。 でも、お礼が言いたい。 口を開いたけど、言葉は空気と化すばかりで音にならなかった。 悲しくなって俯くと 「ありがとう、って言ったんだろ? 分かるよ、俺には」 くしゃっと頭を撫で 「どういたしまして。」 短く付け加えて蓮司は去っていった。