朝、目が覚めるとベッドの近くのカーテンを開けた。
窓からは眩しい日差しが私の部屋に入ってきた。
少し窓を開けると冷たい風が入り、私の体を震わせた。

「菜緒、遅刻するわよ!!」

階段の下からお母さんの声が聞こえた。
私は短く返事をすると窓を閉めて、窓越しからソラを見上げた。

“スカイブルー”

見上げたソラは、まさにその言葉がぴったりのキレイなソラだった。
もし、時間があるのなら私はずっと見つめていたかった。

「菜緒!!」

しびれを切らしたお母さんが叫ぶ。

私は仕方がなく、制服に着替えると階段を下りてリビングに入った。

「もう、いつも余裕を持って用意しなさいって言ってるのに!!」

お母さんは私の目の前に朝食を置きながらグチグチ言い、ネクタイを締めながらお父さんがそれを宥めていた。

「制服を着るのも明日で最後だなっ。」

お父さんがコーヒーを飲みながら私に言ってきた。

「うん。あっ、お母さん!今日の帰り遅くなるかも。」

「はいはい。」

いつもと変わらない日常。
明日で中学生の自分が終わることを、どこか他人のことのように感じている。