昔も階段を降りたところで耳を澄まして聞いていた。
そのときは、連と真由の会話だったが、今は連と大倉君の会話を聞いていた。

「歯痒いって…お前らを見ていると歯痒いって言ってしまった。」

ずっと大倉君は私たちのことを黙って見守っててくれたいた。
大倉君だけでなく、葵も同じだ。

知らない間に迷惑をかけている。
そう思うと目から涙が零れた。

私はゆっくりその場を離れると屋上へ向かった。
その後の連の言葉を聞かず…。


屋上へ来ると、冷たい風が私を吹きつけてくれた。

私はどうしたらいいのだろう??
真由のように連に普通に話しかければ誰にも迷惑をかけないのだろうか??

私は…まだすきなのだろうか??