少しずつ少しずつ連のことを封印し始めた頃に神様は意地悪に、またその封印を解く。
授業中にふと外を見ると、連のクラスが体育をしていたり、休み時間に友達と歩いていると目の前を通ったりする。
見てはいけないと思いつつ…目は連を追っている。

これを未練というのだろうか…。


「菜緒って、連と付き合っていたって本当??」

昼休みに遼が国語の教科書を借りに来たときに聞いてきた。

「誰に聞いたの?そんな昔のこと。」

私は遼の言葉に不機嫌になった。
遼は私の顔を見ながら「大輔」って言った。

連が自分から言うことないかと口の裏で呟くと、遼に教科書を押し付けた。

「何か変だと思ったんだよ。連の前で菜緒の話をすると不機嫌になるし、話しに乗ってこないし…。大輔に聞いたら1年のとき付き合っていたって教えてくれた。」

遼は淡々と話していった。
私は黙って遼の話を聞いていると、遼は私を見て「まだ好きなの?」と聞いてきた。


『まだ好きなの?』


私が黙っていると、遼は私の頭に教科書を置き、そのまま話した。

「…なんて名前だっけ??あの…B組のウルサイ女。」

「七森真由…?」