菜緒が別れようと言ってきた。

最近、菜緒の気持ちがわからなくなっていた。
何か言おうとするが途中で黙ってしまう。

「何?」と俺が聞いても答えてくれない。

そんなことが増えていった。


そして、別れようと言ってきた。

あの屋上で…。


「何で?」

俺は菜緒の腕を掴み聞いた。
最近、菜緒が何を思い、何を黙っていたのか知りたかった。

「好きじゃなくなったの。」

菜緒は俯いたままだったけど、はっきりとそう言った。
俺は言葉が出なかった。

「もう疲れちゃった。マネージャーでもないのにサッカー部の手伝いさせられて、夜遅くまで連を待ってるの。何で私がこんなことしないといけないの??もう、うんざりだよ。何もかも全て!!」

そう言うと菜緒は、俺の手を振り払った。