中学1年生。
吉村菜緒。
13歳。
1年B組。
今日から中学初めての授業が始まる。

「じゃぁね。」
 
彩と別れて、自分の教室に入る。
 
彩はD組。
D組は階が1つ上になるため、私は階段の角で彩と別れた。
 
私は窓際の1番後ろの自分の席に着き、1時間目の用意を始めた。
 
すると、突然後ろからキレイな声がした。

「吉村さんだよね?」
 
振り向くと、すらっとした背の高い美人の女の子が笑って立っていた。

『はい…。』

「私たちタメだよ。敬語はやめてよ。」
 
彼女は笑いながら、私の前の席に座った。

「私、桜木葵っていうんだ。西小学校から来たの。よろしくね。」

『私は吉村菜緒だよ。南小学校から来たの。菜緒って呼んで、よろしく。』

「私のことは、葵でいいよ。」
 
葵と私は気が合うのか、直ぐに仲良くなって小学校が一緒だと勘違いする人もいた。